2014年6月5日木曜日

日本薬学会年会 口頭発表で優秀発表賞!

 2014年3月29日に熊本で開催された、
第134回日本薬学会年会で
以前から、ブログで紹介しているPPACを
『薬学生主体による薬育活動の児童への有用性について』 の題で
口頭発表を行いました。

そして、なんと......
優秀発表賞をいただきました!!

大阪薬科大学のページでも
受賞が報告されています。
 http://www.oups.ac.jp/life/katsuyaku/katsuyaku20.html

これまでの取り組みも、
こうした形で評価されるととても嬉しく思います。

今後も頑張っていきたいと思います。


2013年11月14日木曜日

汚染衣類連携パス

汚染衣類連携パス

  学校薬剤師の仕事を同行し、養護教諭の先生とお話した際に気になる事がありました。
養護教諭からの質問で、『学校で吐物、排泄物等の汚物が衣類についた際、どこまで学校側が対処すれば良いのか?』ということでした。
 養護教諭の先生は、養護教諭の実習先では汚染衣類を袋で密封して持って帰らせた……とのことでした。もし、ノロウイルスなどでの汚染が考えられる場合、下校中、家庭内での不適切な取り扱いをすると感染が拡大するのではないか?と思いました。

 そこで、学校側がどこまで対処をしたか?家庭に持って帰らせる場合は、家庭内で適切な対処ができるように、”汚染衣類連携パス ”を作成し、養護教諭にプレゼンしてきましたので、紹介したいと思います。


 これが汚染衣類連携パスです。
□にチェックを入れて、どこまで学校が対処をしたのかが書いてあります。
細かい項目は、準備編と方法編のプリントを作りました。




































 学校側も参考にできますし、家庭でも安心して対処できます。
項目1まで学校が行えば、項目2の資料と一緒に汚染衣類を持って帰ってもらえます。

 養護教諭の先生も一年契約らしく、来年度はまた別の養護教諭になるとのことですが、その際の連携にも使用してほしいと思いました。

■汚染衣類連携パス
https://drive.google.com/file/d/0B4FrMFdE2BtEWEFpd1llMFJtcU0/edit?usp=sharing

■項目1準備編
https://drive.google.com/file/d/0B4FrMFdE2BtEY21xamhGNFo3eTg/edit?usp=sharing

■項目1方法編
https://drive.google.com/file/d/0B4FrMFdE2BtEQnlFck1fcm01VWs/edit?usp=sharing

■項目2準備編
https://drive.google.com/file/d/0B4FrMFdE2BtEcUp4UVhzMzRGVk0/edit?usp=sharing

■項目2方法編
https://drive.google.com/file/d/0B4FrMFdE2BtELTZhMllPbTF1LWc/edit?usp=sharing

ワードでアップしておりますので、
地域や場所によって改変しても使いやすいと思っております。

ぜひとも活用していただけると嬉しく思います。


  びっくりしたのは、学校に次亜塩素酸ナトリウム液の原液が無くて、すでに0.01%などに薄めてあるハイターキッチン用しかありませんでした。
 実際、原液だと作る手間はありますが、安上がりですし、大量に必要なときにキッチン用のハイターではもったいない気がします。

 ノロウイルスセットを買うにしても高いので、学校の予算もあることでしょう。
学校薬剤師が、予算が安くすむような学校におくべきものを提案していくことが重要だと感じました。

『次亜塩素酸ナトリウムの薄めた液を作り置きしといていいですかね?』と質問をもらったのですが、作り置きは良くないですね……と情報提供しました。
やはり、めんどくさいというのがついてまわるということでしょうか(汗)
 

2013年4月4日木曜日

おかしな薬屋さん

3月30日に名古屋にてPATH mini x Nagoyaが開催されました。

その際に、発表したプレゼンを紹介します。



子供の頃、いろんなものをつくるのが好きでした。
新聞をくしゃくしゃに丸めて、輪ゴムをつなげてヨーヨーのようにしたり、
おもちゃのフィギュアで遊んで、それの乗り物をダンボールで作ったり……


私の先生は、わくわくさんでした。
丁度、3月29日の今日、7:30~最終回がありました。

つくって遊ぼうを見ては、録画をする能力がないくらい小さかった私は、
一生懸命に落書き帳にメモをして、忘れないうちに作っていました。

つくって遊ぼうは、子供達の想像を書きたててくれます。
しっかりと妄想シーンもあり、おもちゃで遊ぶ姿をイメージさせてくれます。


これは、レゴの広告なのですが、
レゴで組み立てたこのカタチは、子供達の想像でティラノサウルスに変わります。

ちょっとしたおもちゃ、そういったものは子供達の頭の中でリアルになるのです。

今日は、そんな子供達が刺激される企画を行ったので、お話したいと思います。


昨年、大阪薬科大学で学祭の際に、模擬店を開催しました。
毎年、子供たちが沢山くるので、何か出し物を行っています。

一昨年は、投薬せよ!!というゲームで、
インフルエンザなどのウイルスに対し、投薬の文字通り薬を投げて倒すゲームを行いました。

昨年も何かしたいねという話になり、考えていたところ、
とある問題に出くわしました。


兄が風邪をひいたとき、お母さんは薬をもらい、薬を兄に飲ませます。

余った薬は大事にとっておき、弟が風邪をひいたときにその余っていた薬を使ったという問題です。

ご存知の通り、体格の違いで小児の投与量は違いますし、症状によっても散剤の種類も異なってきます。
しかし、それは平然と行われているのです。


ダイエットサプリメントを服用する際に、より痩せたいと思い、一度に通常量を超える量を服用したという問題。

血中濃度からも、ご存知の通り効果が見込めなかったり副作用がでたりします。

このような医薬品の不適切な使用をしている声を耳にしました。


現場の薬剤師さんも、このような医薬品の適正使用に関する悩みを感じているとお話しを聞く機会がありました。

医薬品の適正使用を地域に広めるにはどうすればいいのだろうか?

子供達にもわかりやすく遊んで学べる医薬品適正使用のゲームを作ろうと思いました。



そこで、昨年の学祭では
『医薬品の適正使用』について伝えるゲームをしました。

そして、薬剤師はどんな仕事をしているのかもわかるようなゲームを作りました。

それが……


『おかしな薬屋さんプロジェクト』です。

金魚すくいや、輪投げやホットドックなどを購入しに来る子供達が興味を持つような、
楽しそうでワクワクするゲームを作りました。

紙芝居、来局者対応、模擬調剤、薬効測定を行いました。


このゲームの特徴は、
ビジュアルでわかる薬物血中濃度です。

薬の模型と病気の模型を使って、同じ重さになるように測り取るゲームです。

もし、病気の模型の重さが重すぎれば、効果がなく、
薬の模型の重さが重すぎれば、副作用がでることになります。

そのため、適切に使用することで治療域に到達し、効果があるとビジュアルで感じさせるところです。


それでは、全体について説明します。



まずは、紙芝居です。
薬剤師は何処で働いているのか?何をしているのか?
薬を適正使用すると病気が治ること。
学校にも薬剤師さんが働いていることを伝えました。

一番驚いていたのは、子供を連れてきた親でした。
『私、中学校で働いているのですが、薬剤師さんを学校で見たこともないし、来ていることもしりません』

っておっしゃるんです。


次に、来局者対応です。

スタッフがぬいぐるみを持って、患者役をします。
子供達は薬剤師役をして対応します。

『今日はどうされましたか?』

と子供達が聞いて、やりとりをします。

その際に、処方箋と病気の重さがわかる模型を渡します。


子供達は、病気の模型を持って、その重さと同じ重さになるように薬の模型をとります。

処方箋には3種類の薬が書いてあり、その薬と同じものを取ります。


実際に大きな天秤で測ってみて、
子供達は適切に薬物治療を行うことの重要性を感じてもらうことができます。

この薬効測定にはもう一つの意味があります。

薬剤師体験をしてもらうなかで、
薬剤師がただ薬を調剤して、患者さんに渡しているだけではなく、
薬物治療もおこなっているんだよという想いもあります。

本当は、疑義照会などをパズルとしておこなっても良かったのですが、
今回は、小さな子供達も楽しめるものにしました。

実際に行ってみると、母親も夢中になるゲームとなりました。

他にも、子供達が白衣で頑張る姿を、写真に収めている親もいらっしゃいました。

このイベントでは、前後でアンケートを取りました。

薬を沢山飲むと病気が早く治ると思うか?
という問いに対して、未就学児(幼稚園児)からは、
『適正量より多く飲んでも早く治るわけではない』という回答を貰い、有意差がでました。

薬剤師についてしっていますか?という問いに、
事後には保護者、小学生、幼稚園児のあらゆる世代が、知っていると回答し、
有意差がでました。

薬剤師はどこで働いているか知っていますか?
という問いに対し、事後には保護者、小学生、幼稚園児のあらゆる世代が、知っていると回答し、
有意差がでました。


こうした活動を形にし、
28日(昨日)、日本薬学会でポスター発表することができました。

その際に、多くの方からお声をかけていただくことが出来ました。



もしかしたら、この活動は
小児病棟などで、子供達の薬に対する理解を向上させたりできるのではないか?

学校のお薬教室で使用することが出来る!

など、薬剤師さんから声をかけていただきました。


医薬品の適正使用を広める活動は、
今、社会から求められています。


ぜひとも一緒に、医薬品適正使用の推進活動をしませんか?

ありがとうございました。

2013年4月1日月曜日

第133回日本薬学会年会PS『薬学生による薬育活動の有用性について』

2013年3月29日に、横浜で開催された日本薬学会にてポスター発表を行いました。

ポスターの内容を載せたいと思います。




第133回 日本薬学会 年会

『薬学生による薬育活動の有用性について』


小路晃平、三田愛、橋本由李、山口竜太、葛西弘樹、小縣健司、長森弘晃、坂口亮介、山野晃宏、福西美沙、田淵純子、競和香、瀬迫まい、阿部誠也、中上瞬(日本薬学生連盟)










当日、多くの学生、社会人の方にポスターを見ていただくことができました。
自分としても、説明の時間に人がいない時間があれば、近くの方に声をかけて説明できるほどに行動することができ、学ぶことは多かったです。

日本薬学生連盟として、学会への発表は初で、今回はこのポスターが一つ、松崎さんが1つだしております。

学生の活動として、社会に必要とされる活動を行うだけでなく、こうした形で発信することができるというのは、とても嬉しいことだと思います。

発表までに、協力してくださった皆様、当日来てくださった方、応援してくださった方に本当に感謝しております。

今後も、一丸となって進んでいきたいと思います。


2013年1月19日土曜日

へき地薬局について

 へき地薬局について、興味のある記事を見つけたので書きたいと思います。

薬剤師にはへき地・地域医療の研修制度というものが医師のようにありません。
そのため、薬学生もその恩恵を受ける事もできません。そこで、現在は、私は『へき地・地域医療フィールドトリップ』というプロジェクトを行っており、今年の3月のイベントで第四回になります。(http://www.facebook.com/events/501662919876942/?context=create

第三回の時に、徳島県美馬市木屋平にある、こやだいら薬局に行きました。そこは、全国でも先進的にへき地の薬局を行っており、薬剤師の中でもかなり有名なへき地での取り組みをされています。

そことは別に、香川県でもへき地薬局の取り組みがあるとネットの記事で知ることになりました。

香川県内初「へき地薬局」
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=70287
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/locality/20121226000093

ここは、NPO法人『へき地とあゆむ薬剤師』(安西英明理事長)が運営していて、
メンバーが約20名いて、名前は、『多和薬局』で12月25日にオープン。
診療所での院内処方に大部分を頼っていたが、薬局の開設で院内処方より豊富な種類を投薬できるほか、薬剤師による専門性の高い服薬指導なども行えるようになる。また、ジェネリック医薬品(後発薬)の利用促進や一般医薬品(大衆薬)の販売も可能となり、医療費の削減や住民の利便性向上にもつながる。
このようにありますが、診療所の診察日に合わせ、毎週火曜日と木曜日の2日間営業しているみたいです。


ここで気になるのは、「総合特区制度」です。
特例措置として、
◆薬局管理者の従事制限の緩和
◆薬局以外の場所における調剤制限の緩和等
⇒①地域の薬局の連携による
へき地薬局の開設・管理
 ②患者宅での調剤薬の交付
かがわ医療福祉総合特区
 →http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/sogotoc/toc_ichiran/toc_page/pdf/t24_kagawa.pdf


このように書いてあるのですが、今後薬局事業を行っていき、現場の声を反映していくのでしょうか。

この特区制度は、『無薬局地域の点在』の問題を解決するために、
へき地薬局開設事業や処方情報電子化・医薬連携事業を支援してくれるみたいです。


私は、へき地医療に今後の医療の可能性を感じています。
それは、薬剤師の職域を広げたり、新しい取り組みができる地域医療の最先端の地だと思うからです。

 その際に、特区制度があると通常では出来ない取り組みがそこの地域だけではできるので、学会でも発表することができ、効果が認められると国を変えるようなものになるからです。

 薬剤師が、薬局が取り組めばどんなに良いだろうか!と思うことでも、様々なしがらみや制度のせいで証明できないことは多くあると思います。
 そのため、特区制度でどんなことをしてくれるのだろうか?と気になります。




「かがわ医療福祉総合特区」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/sogotoc/toc_ichiran/toc_page/t24_kagawa.html

徳島文理大学香川薬学部のページより
http://kp.bunri-u.ac.jp/topics/1046.html

テレビでとりあげられています。
http://www.rnc.co.jp/news/index.asp?mode=1&nwnbr=2012122508